小学生にも目指しやすい「英検5級」の勉強法についてまとめました
小学生のうちに英検5級をとらせたい!
英語教育に関わる仕事をしているため、普段から「英検5級はどのくらいの勉強でとれる?」「英語の塾や英会話スクールに通わなくても大丈夫?」と質問されることも多いので、記事としてまとめてみました。
まとめ:英検5級のおすすめ勉強法
意外と長文になってしまいましたので、はじめにまとめておきます。
- 英検5級は小学生でも目指せる試験。自宅でも十分可能
- 合格のための基礎は過去問と単語集があればOK
- 「聞く」練習にはオンライン英会話がおすすめ
英検5級は「中学初級程度」と説明されるレベルの試験ですが、自宅中心&スクールなしでの勉強でも十分に合格可能。ぜひお子さんと一緒に目指してみてください。
英検5級とは?どんな問題が出る?
英検5級は小学生でも目指せる
英検の公式Webサイトには「中学初級程度」が目安とされている英検5級。基本的な単語力と文法を身につけ、それを用いた簡単な聞き取りや会話ができることが目安です。
英検のエントリレベルとして小学生、中学生を中心に、多くのお子さんが受験しています。
英検5級の試験内容
英検5級の試験は一次試験とスピーキングテストに分かれており、一次試験は25分の筆記と20分のリスニング。筆記試験はリーディングのみです(ライティングは出題されません)。
例えば3級と比較すると、筆記試験は半分程度、リスニングも短めなので、低学年のお子さんでも集中力が続く試験時間ですね。
スピーキングテストはインターネットで行うのですが、英検5級の合否は一次試験(筆記とリスニング)で決まります。スピーキングテストは合否には影響せず、「英検5級 スピーキングテスト」として認定されます。
過去問は無料でダウンロードできる
では、英検5級では具体的にどんな問題が出るのか?これについては、この後に紹介する参考書や問題集でも知ることができますが、おすすめなのは英検のWebサイト。問題の冊子(PDF)やリスニングの原稿と音声を無料で入手できます。また、スピーキングテストのようすがわかるコーナーもあります。
5級の過去問・対策 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
英検5級 筆記試験の問題例
筆記試験のリーディングでは次のような問題が出ます。
まず大問1は、4つの選択肢(単語)から適切なものを選んで、短い文章を完成させる、という問題。15問です。
会話のシチュエーションは、家庭内の会話だったり、友達の会話だったりと、小学生にもなじみやすいものが多いです。また、文章もとても短いものが出題されます。
続く大問の2も、会話を完成させる問題です。ただしこちらは、単語ではなく文章を選ぶ形式になっています。こちらは5問。
最後の大問3は、並べ替え。5問あります。文章を完成させるために4つの語を並べ替えるのですが、1番目と3番目に来るものを選ぶ、というマークシート方式ならではの解答方法にも、十分慣れておく必要がありそうです。
英検5級では、長文読解やライティングは出題されません。「5級だと易しすぎるので、4級や3級から」と考える方も多いのですが、「英検に慣れる」「自信をつけてあげる」という意味で、5級からスタートするのもオススメです。
英検5級 リスニングの問題例
ここまで紹介した筆記試験に続いて行われるのがリスニングの試験。出題は次の3つのパートに分かれています。
- イラストを参考にしながら英文と応答を聞き、適切な応答を選ぶ
- 対話と質問を聞き、適切な答えを選ぶ
- イラストの内容を適切に表す英文を選ぶ
順に見てみましょう。まずは第1部(全10問)から。試験問題に示されるイラストは次のようなものです。
リスニングの問題(台本)がこちら。紛らわしい内容はないので、大まかな内容が聞き取れていれば正答できます。
第2部(全5問)の方がシンプルというかわかりやすいかもしれません。短い対話の後に、その内容についての質問が読まれます。
問題用紙には質問への答え(の候補)が並んでいるので、適切なものを選びます。この例では、対話で「バイオリンのレッスンに行く」と言っているので、その内容がそのまま含まれる選択肢(4)が正解です。
第3部(全10問)は再び、イラスト付きの問題。イラストの内容をよく表すと思う英文を、3つから選びます。
読まれる内容はこちら。
それぞれ正解は、No.16=1、No.17=2 となります。
英検5級 スピーキングテストの問題例
スピーキングテスト(英語での面談)はどんなものでしょうか?その内容は英検のWebサイトで公開されています。
合否には関係ありませんが、上の級でスピーキングテストを受ける際の練習にもなりますし、欠かさず受験しておくことをオススメします。
英検5級 自宅でできるおすすめ勉強法
英検5級の参考書
受験者の多い英検は、参考書もこなれたものがたくさんありますので、高い教材や英語塾を無理して利用する必要はありません。普通に売ってる本でしっかり勉強するのを基本にしましょう。
たくさんある参考書から絞っておすすめするとしたらこの2冊。旺文社の過去問と単語集です。
過去問は英検のWebサイトからも入手できますが、何度も繰り返して練習するには本の方が便利なことも多いですし、自宅派の勉強では、親切な解説がある方がやはりわかりやすいです。
また、旺文社の過去問は、漢字に読み仮名が付いているため、小学生の勉強にはピッタリです。
「過去問に挑戦するのはある程度準備でできてから」「過去問での勉強は試験の直前までとっておく」と考える方も多いのですが、多くの場合、これはおすすめできません。
「試験対策は過去問に始まり過去問に終わる」というのが試験勉強の鉄則。英検5級の問題形式にも、よく出る単語についても、とにかくたくさん慣れておくことが大事です。
こちらは英検対策で定評のある「パス単」の英検5級編。『出る順パス単』の名前の通り、英検に合格(パス)するために必要な単語が出る順に並べてあるというもの。
過去問も単語集も、何冊も用意する必要はありません。何度も何度も繰り替えし、本の隅々まで覚えてしまうくらいに活用することが大事です。
英検5級では、長い文章の読解や英作文は出題されないので、一次試験の対策はシンプルです。が、一つ注意したいのが解答用紙にも慣れておく、ということ。
マークシートもそうですし、そもそも(学校とは異なる)テストの経験が不足しがちな小学生は、ふとしたことでパニックになってしまうことも。
解答用紙のサンプルも英検のWebサイトにありますし、書籍におまけとしてついている、ダウンロードできることも多いです。ぜひ活用しましょう。
リスニングの勉強法は?
リスニングの問題は、出題形式がほぼ同じですので、過去問とパス単についている音声をくりかえし聞き、練習しておけばOKです。もちろん、何度も何度も聞きこみます。
過去問に取り組む際は、
- 試験時間に合わせて模擬試験のつもりで解く
- 同じ問題を何度も聞いて、綴りと音の関係をしっかり理解する
この2つの練習方法をそれぞれきちんと行うことが大事です。
また、会話に登場する慣用的な表現(「OK」を意味する Sure.など)は、しっかり覚えておく必要がありますが、これも、過去問やパス単に含まれているので安心です。
スピーキングテストの勉強法は?
過去問にも説明のある、本番の流れをまずはしっかり頭に入れましょう。他のパートと同様、出題(質問)されるテーマはある程度パターン化されてますので、過去問などをもとに自分が話すであろう内容をあらかじめ準備し(書いておき)、それを音読する練習をくりかえしておくことが大事です。
音読の際には、自分の声を録音してそれを聞いみることもおすすめ。不明瞭になっていないか?冠詞や複数形のsが抜けていないかなどをきちんと確認し、完璧に話せるようになるまで練習します。
ただ、自宅での勉強では難しいのが、英語での実際の会話の経験を積ませてあげる、ということ。公立の小学校でもネイティブスピーカーとの会話をする機会は多少はありますが、英検の試験で行われるような一対一での会話の練習には不十分。じつは、この点を補うのに適切なのが、この後に説明するオンライン英会話です。
英検5級対策にオンライン英会話を活用しよう
リスニング&スピーキングとの相性は抜群
英語を話す外国人と一対一で会話ができるオンライン英会話は、英検の二次試験(スピーキング)との相性は抜群。「オンライン英会話=英語でフリートークを楽しむサービス」という印象を持たれる方も多いのですが、英検対策のコースや教材を用意している会社もたくさんあります。
当然ながら、オンライン英会話では、外国人の話す英語に触れる機会があるため、スピーキングだけでなくリスニングにも効果があります。
予算はどのくらい? まずは無料体験をしてみよう
オンライン英会話の予算はサービスによって、あるいは、選択するプランによってまちまちですが、多くの場合、月に数千円で何度も利用できます。1回あたりの費用で比べると、一般的な英語塾よりもはるかに安いです。
また、ほとんどすべてのサービスが無料体験の機会を用意しているので、本格的に利用するかどうかは、お試ししてから決めることができます。
英検対策におすすめのオンライン英会話
オンライン英会話のサービスは多数あり、また、その多くが英検のコースや教材を用意しているため、はじめはどれを選ぶかわかりにくいです。
代表的なサービスの特徴などをこちらの記事で紹介していますので、詳しい説明はぜひこちらでご覧くださいね。