都立三鷹の入学試験(適性検査)
人気の都立中高一貫校、都立三鷹(東京都立三鷹中等教育学校)の入学試験(適性検査)についてまとめてみました。当然ながら、私の時代にはなかった試験なので新鮮ですね。
適性検査の出題方針
同校のWebサイトに掲載された資料「東京都立三鷹中等教育学校の適性検査問題の出題の基本方針等」によれば(平成30年度、平成29年度ともに同じ文面)、都立三鷹の適性検査は次のような方針で行われているようです。
- 文章を深く読み取り、社会的リーダーとして必要な、他者の心情を理解する力、自分の考えを効果的に伝える力をみる
- 課題や資料の内容を正しく分析する力、論理的な思考力・判断力及び問題を解決していく力をみる
適性検査の時間割
都立三鷹の適性試験は実質90分間。国語的な内容の適性検査Ⅰと算数&資料の読み解き能力が試される適性検査Ⅱがそれぞれ45分ずつです。どちらかというと適性検査Ⅱの時間制限が厳しい内容になっているように思われます。
- 集合:午前8時30分
- 適性検査Ⅰ:午前9時00分~午前9時45分(45分間)
- 適性検査Ⅱ:午前10時15分~午前11時00分(45分間)
都立三鷹 適性検査の特徴は?
都立三鷹の適性検査は、都立中高一貫校としては一般的なもの。国語っぽい適性検査Iと、数学その他がごちゃごちゃしている適性検査Ⅱの組み合わせからなります。
適性検査I(1問中の1問)と適性検査IIの一部(3問中の1問)が都立三鷹のオリジナル問題(独自問題)になっています。
適性検査Ⅰ
文章を深く読み取り、他者のものの見方や考え方を理解する力、 分かりやすく適切に表現する力をみる。独自問題が1問。
題材となる文章は次の通り。現役(若手)のビジネス書作家からの出題が特徴的ですね。
- 平成30年度:村岡花子『村岡花子童話集 たんぽぽの目』、梅田悟司「『言葉にできる』は武器になる。」
- 平成29年度:水野敬也『夢をかなえるゾウ』、外山滋比古『消えるコトバ・消えないコトバ』
適性検査Ⅱ
資料から情報を読み取り、課題に対して思考・判断する力、論理的に考察・処理する力、的確に表現する力などをみる。
全3問のうち、独自問題が1つ、共同作成問題が2つ。
- 平成30年度の独自問題は、図形の移動を含むゲームのルールを理解するもの。けっこう厄介な印象。ちょっとした計算問題(円弧の長さ)もあります
- 平成29年度の独自問題は、(実質的には無関係な)小問2つの組み合わせ。音符の組み合わせ方を読み解く問題と、リーグ戦の結果からそれぞれの試合結果を推理する問題
都立三鷹 過去問の入手方法
過去問は同校のWebサイトからダウンロードできます。著作権のからみでしょうか、掲載期間に限りがある問題もあるようなので、ダウンロードするなら早めがオススメです。
→ 過去問題 | 東京都立三鷹中等教育学校 Tokyo Metropolitan Mitaka Secondary School
都立三鷹の合格ライン
報告書(内申書)と試験(適性検査)の合計点(1000点満点)で合否が決定します。配分は、報告書(小学校の成績)が2割、適性検査の結果が8割なので、報告書の比重は低いです。
しかし、適性検査で差がつきにくい場合には、報告書の点数が大きな意味を持ってきます。
上の画像は、都立三鷹のWebサイトから入手できる「報告書の取り扱いについて」のもの。入学判定に用いられる5年と6年の成績の取り扱いですが、「3」と「2」の違いが比較的大きいのが特徴です。オール2とオール3では換算後に100点の差がつきます。
適性検査のみで推計した合格ラインは6割程度ではないかと言われています。