うちの子にいいかも!

ワガコのための教育&中学受験ニュース

「中等教育学校」と「併設型」の違いは?

f:id:izumikatsuhiko:20180717151103j:plain

基本的な話ですが、公立中高一貫校について調べていると「中等教育学校」と「付属中学校」の2種類がでてきて少し混乱したのでまとめました。

公立中高一貫教育校とは

そもそものところですが、私立ではない公立の一貫校、つまり「公立中高一貫校」とはなんなのか?から。抽象的ですが、東京都教育委員会のWebサイトではこんな風に説明されています。

6年間の一貫教育の中で、社会の様々な場面、分野において人々の信頼を得て、将来のリーダーとなり得る人材を育成することを目的とする学校です。

公立中高一貫校が目指す教育

同じく東京都教育委員会のページには、もう少し具体的な説明としてこんな記載もありました。

  • 6年間の一貫した教養教育を行うことで、総合的な学力を培うとともに、個の確立を図り、生徒の個性や創造性を伸ばします。
  • 使命感・倫理観、社会貢献の心、日本人としてのアイデンティティなど、これからの日本人に求められる資質を育てます
  • 教養教育を重視しながら各校が特色ある教育を行うことを通じて、社会の様々な場面、分野で信頼されるリーダーとなり得る人材を育成します。

公立中高一貫校の種類

さて、ここからが本題。公立中高一貫校には、次の2つの種類があります。

(1)中等教育学校:6年間の一貫教育を一つの学校で行う。 最初の3年間を前期課程、後の3年間を後期課程と呼びます。中等教育学校では、後期課程からの入学者の募集は行いません。つまり、高入はなし。

(2)併設型(公立中学校+公立高校):中学校と高校を接続して6年間の一貫教育を行う。 中学校の生徒が、接続している高校に進学する場合は、高校入試がありません。また、接続している高校は、他の中学校からの入学希望者を受け入れるために高校入試を行います。

つまり、学校の名前に「中等教育学校」とあれば高入なしの完全中高一貫、「付属中学校」とあれば高入アリ、となります。

都立の中高一貫教育校

(ここからは私の地元、東京都の話です)都立の中高一貫校は10校。半数が併設型です。中学での定員をカッコ内に記載しています。

中等教育学校(高入なし)
併設型(都立中学校+都立高校)

併設型の学校では高校から1〜2クラス増えるため、卒業生の人数は約200人になります。つまり、中等教育学校よりも多くなります。

区立九段は高入なしの中等教育学校

区立九段はその正式名称が「千代田区立九段中等教育学校」であることからわかるとおり、高入ナシの完全中高一貫校です。

優劣はあるのか? 併設はよくないの?

高校からの入学がないほうがいい、という意見もたまに見かけますし、実際、私立の学校などでは、昔は高校入試をやってたけど今はやめてます、という学校もかなり多いですね。

一般的には、完全中高一貫には次のようなメリットがあると言われています。

  • 中高完全一貫校では学習指導だけでなく、情操教育やしつけ教育なども、6年間の長いスパンのもとに、効率的に行える
  • 特に学習指導の面では、中高6年間にわたる学校独自のカリキュラムを編成して、無駄のない学習指導が行える

ただこれ、個人的にはよくわかりません。なぜなら、私自身が中高一貫校に高入したから(昔の話なので私立ですが)。たしかに、はじめは多少の違和感というかよそ者的な感じもありはしましたが、すぐに馴染めますしね。

進度のちがい、みたいな話もありますが、それを吸収するくらいのことはできるから入試に通っているはずなので、大きな問題ではありませんでした。

ただ「高入があるほうがいいのか?」と言われれば、その主張もまた難しい気もまたしますので、なんともですが。

中等も併設も適性試験対策は一緒

中等教育学校も併設型も、少なくとも都立中の場合、適性検査の傾向は変わりません。国語・作文型の適性検査Ⅰと算社理の適性検査Ⅱ(と一部の学校では適性検査Ⅲも)へのしっかりとした対策が必要です。

公立中高一貫校に合格するため勉強法について、こちらの記事をぜひ御覧ください。

公立中高一貫校の選択についていえば、中等教育校か併設型か?ではなく、気に入ったところ、家から近いところ、でいいのかな?と思います。

© うちの子にいいかも!

編集部(運営者) |  お問い合わせ | 取材依頼・献本など