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中学入試や授業の「英語」はこれからどうなる?

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都立高校の入試も4技能に

東京都教育委員会の検討委員会が「都立高校入試の英語にスピーキング試験を導入すること」を求めた報告書をまとめました。これを受けた都教委は、2018年度中に実施方法などの検討をして、2019年度以降にプレテストを実施する方針です。

高校入試だけでなく、中学や大学の入試も、また、それぞれの教育過程における英語の授業も大きく変わろうとしていますので、まとめてみました。

小学校の英語の授業はこう変わる

2020年度から小学校で全面実施される新学習指導要領では次のような変化が生じます。

  • 5・6年生で英語が教科化される
  • 英語に親しむ「外国語活動」が、現行の5・6年生から3・4年生へと前倒し

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中学入試の英語はこう変わる

ひと昔前は帰国生向けの入試に限られた話でしたが、英語で受験ができる私立中学は増えています。

一般入試の入試科目として英語を選択できる私立・国立中学校は、2014年以降、15校 → 33校 → 64校 → 95校 → 112校と、どんどん増えています。

今はまだ、男女御三家をはじめとする難関校が従来型の4科入試であるため大きな動きにはなっていませんが、それでも、千葉県有数の進学校である市川中やSFC(慶応藤沢)などで英語入試が始まっているため、これに追随する学校は増えてくるのでしょう。

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中堅の女子中学校が多いですが、小学生の時に取得した「英検」を活かして入学できる私立中学校も増えています。

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中学校の英語の授業はこう変わる

小学校だけでなく中学校の英語の授業も変わります。

  • 英語の授業が、高校と同じように、原則として英語で行われる
  • 2021年度から全面実施

高校入試の英語はこう変わる

東京都教育委員会の検討委員会が、都立高校入試の英語に「話すこと」(スピーキング)の試験を導入することを求めた報告書をまとめました。

そこでは「都立高等学校入学者選抜で評価すべき力」として、4技能が評価されるべきと明記されています。

都立高等学校入学者選抜では、義務教育の最終段階として、学習指導要領で求められている力が身に付いているかを測る必要がある。受検者にとっても、都立高等学校入学者選抜において、これまでの学習成果が評価されることは、重要な意義がある。そのために、英語検査においては、「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」の4技能の評価を行うべきである。

東京都立高等学校入学者選抜 英語検査改善検討委員会 報告書

これを受けて都教委は、2018年度中に実施方法などの検討をして、2019年度以降にプレテストを実施する方針だそうです。

  • 2018年度中にスピーキングのテスト方法などを公表
  • 2019年度以降に試行のためのプレテストを実施
  • その後、一部実施などを経て全面的に導入する予定

今後、高校入試の英語のスピーキング導入が全国的に広がることが予想されます。

英語のスピーキング評価に関する高校入試改革の動きは、他府県が先行しており、すでにこのような動きが。

  • 大阪府:2017年度府立高校入試から、英語を資格・検定試験の成績で換算できる
  • 福井県:2018年度県立高校入試から資格・検定試験で一定レベルに達した受験生に英語の点数を加点する

高校ではすでに「授業は英語で」が建前

実は、すでに2013年4月より、高校の英語の授業は「英語で行うことを基本とする」ことになっています。文部科学省が定める高等学校学習指導要領 外国語編では、高校英語のすべての授業を英語で行うことを謳っているのです。

実際の授業はどうなるのでしょうか? 新しい学習指導要領として2008年にはすでに告示されていましたが、完全な実施には程遠いのが実情のようです。

大学入試の英語はこう変わる

2020年度から大学入試センター試験に代わって導入される「大学入学共通テスト」の英語でも、「聞く・読む・話す・書く」の4技能を評価。センター試験が、民間の英語資格・検定試験で代替される予定です。

  • 2020年度から「大学入学共通テスト」が実施
  • 「聞く・読む・話す・書く」の4技能が評価される
  • センター試験は、英語資格・検定試験で代替される

センター試験を代替する民間試験については、「英検が落ちた!」などのニュースもありました。また、東京大学が、「共通テストは選考に用いない」と言ったり、「用いるかも」と言ったりして界隈を騒がせています。

民間試験の活用について、東大の副学長 石井洋二郎氏は「懸念が払しょくされないまま走り出すのは無責任」と語ったそうです(2018年7月19日)。また、この発言は全国の大学、高校から歓迎されているとのこと。

朝日新聞が全国の82大学に確認したところ、(2018年8月)10日時点で具体的な方針を示したのは12大学。37の大学では「活用するかも未定」だそうです。

共通テスト(英語の民間試験)の基本方針
  • 浪人生の場合は受験年度に加え、前年度に受けた民間試験の結果も受験に使える(前年度分を実際に活用するかどうかは各大学の判断に委ねることも併記)
  • 現役生の場合、高3の4~12月に受けた民間試験の成績のうち2回分を受験に使うのが基本
  • 現役生についても英検準1級合格レベル(語学力の国際標準規格CEFRでB2)以上の成績があり、経済的に困難な事情を抱えていたり、離島やへき地に住んでいたりといった条件を満たした場合は、例外措置として高2時のスコアも受験に使える
ベースにあるのが「4技能」

これらの英語教育の改革の柱となっているのは「聞く・読む・話す・書く」の4技能をバランスよく教えることで、グローバル化に対応する「使える英語」を習得させるという実業的な考え方です。

うちの子の高校受験、大学受験では完全に4技能です

[参考]

公立高入試も英語4技能の時代へ 東京都が先駆け(ベネッセ教育情報サイト)

都立高入試に「話す」英語 公立校初、19年度に試行(日本経済新聞)

 

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