区立九段(千代田区立九段中等教育学校)とは?
区立九段(千代田区立九段中等教育学校)は、東京都の千代田区(東京都千代田区九段北 2-2-1)にある公立の中高一貫校。私立中学に比べ学費がやすいこと、高い進学実績を誇ることなどから、近年人気が高まっています。
区立九段の前身は、旧制第一東京市立中学校を起源にもつ東京都立九段高等学校。東京大学への合格者数が二桁を超えるような進学校だった時期もあります。
高校からの入学がない「中等教育学校」です。中学校の入学時に4クラス分の生徒が入学します。
全国でも珍しい「区立」の高校課程
区立九段は、東京23区の区立初の中高一貫校。高校課程の学問を教授する教育施設で「区立」なのは全国でもここだけ。
ただ、当サイトもそうですが、東京都内に位置する公立中高一貫校だということで、便宜的に「都立中高一貫校」と分類されることが多いです。
区立九段の評判
区立九段の評判について、以下、まとめてみました。
区立九段の偏差値は?
中学受験時の偏差値は上昇傾向。偏差値は58(四谷大塚の80偏差値)と言われています。都立の中高一貫校では、三鷹や南多摩と同程度の難易度。区立九段に限らず公立中高一貫校に見られる傾向ですが、ここ数年ジリジリと上がっていますね。
同じくらいの偏差値の学校を探すと、
- 都立三鷹
- 立川国際
- 南多摩
- 青山学院
- 城北
などが挙げられます。
区立九段の倍率は?
入試の倍率は、他の都立中と比べると高く「およそ8倍〜10倍」。年によりかなりバラツキがあります。
ただしこれは区分Bと呼ばれる「千代田区以外の東京都に在住する生徒」の倍率。千代田区在住の区分Aの倍率は2倍程度です。
区立九段へのアクセス
区立九段の最寄駅は九段下駅。とても便利な場所あります。JRなら、飯田橋からも歩ける距離です。
- 九段下駅 (東京メトロ東西線・半蔵門線、都営新宿線)から徒歩3分
- 飯田橋駅 (JR総武線、東京メトロ東西線・有楽町線・南北線、都営大江戸線)から徒歩10分
区立九段の進学実績
同校のWebサイトで進学実績を公表しています。平成30年度の合格実績(国公立大学)はこちら。
区立九段の卒業生の約2割強にあたる32名が、現役で国公立大学に合格しています。また、医学部への進学割合が他の都立一貫校よりも高いです。
海外の大学への進学が多い!
また、区立九段の特徴と言えそうなのがこちらの画像。海外の大学への進学が多いのです。英語教育に力を入れていること、千代田区在住=裕福な家庭のお子さんが多いことなどが影響しているものと思われます。
他の都立中との比較は、こちらの記事をご覧ください。
区立 九段の英語教育は充実してる?
改革により、英語の重要性がさらに高まる今後の大学受験を考えると、中学校選びの一つの軸にしたいのが、英語教育への取り組み。区立 九段はどうでしょうか?
例えば、週あたりの英語の授業数を比較すると次のようになっています。ここでは、選択などの影響の少ない、また、英語力の基礎固めとして重要な時期である中学1年、中学2年時の英語授業数を比較しています。
- 都立中平均:4.7コマ
- 区立九段:6コマ #都内の公立中高一貫校で最も多い
- 渋渋(私立):7コマ
- 三田国際(私立):8コマ
さらなる英語力アップにはどうしたら?
かなり英語に力を入れている渋渋や三田国際に比べると多少見劣りするものの、区立九段の英語の授業数はかなり充実していることがよくわかります。
英語をさらに強化するには、読む、聞く、書く、話すの4技能をバランス良く伸ばしていることが必要ですが、どうしても不足しがちな「話す」「聞く」に効果的なオンライン英会話で継続的に鍛えていくのがおすすめです。
オンライン英会話の選び方については、当サイトのこちらの記事もぜひごらんください。(記事にもあるように、家族割の「ファミリープラン」を用意している会社も多いので、ママ/パパも一緒に英会話を頑張るのがおすすめです)
区立九段の受検(受験)対策
区立九段の適性検査対策は?
文字数の多い記述問題が特徴的な適性検査Ⅰ、情報処理能力と理系的なセンスが試される適性検査Ⅱなど、都立中に合格するには独特の入試問題への備えが必要。
難易度が上がっていること、また、適性検査の傾向が定まってきたこともあり、試験(検査)対策が「長期化」「パターン化」しているのが最近の特徴です。
- 長期化:「小5から」「小4から」など、中高一貫校検査(入試)の準備期間が長くなりつつある
- パターン化:適性検査の研究が進み、進学塾のカリキュラムや通信講座の教材などでしっかり訓練できるようになってきた
「学校の成績が良くて作文が得意な子が、少しだけ対策をしたら合格した」「適性検査には私立中受験のようなパターン化された訓練法はない」このようなイメージは過去のもの。きっちりと準備をして臨みましょう。
区立九段は「ena」「栄光ゼミナール」「Z会」の出身者が多い
「塾」「家庭学習」「通信講座」など、適性検査対策の方法はさまざま。体験授業なども積極的に行いながら、お子さんに合ったやり方を見つけてあげましょう。
公立中に強い塾の代表といえばena。区立九段にも53名が合格しています。これに続くのが栄光ゼミナールの33名です。
(準備中:enaについての記事)
少々意外だったのですが、進学塾ではなく通信講座のZ会も強いということ。区立九段に30名!が合格したようです。(いずれも2018年の実績)
もともとが、記述式の問題が多い東大や京大などの難関大学対策に強みを持つZ会は、同じく記述への対策が必要な公立中高一貫校とは相性がいいようで、全国の公立中高一貫校には819人、区立九段を含む都立中高一貫11校には332名の合格者を出しています。
区立九段の試験日は?
都立一貫校の試験日は例年2月3日。区立九段も例外ではなく2月3日に検査(試験)を行っています。検査は3種類でそれぞれ45分間と短めであるため、お昼ごろには終わります。
区立九段の合格発表は?
合格発表は試験の約1週間後に行われます。校内に掲示される他、Webサイトにも掲載されます。
区立九段の入学手続きは?
入学手続きは合格発表の当日から。平成30年度の入学検査はスケジュールは以下のように進められました。都立中とはいろいろ異なる点があるので注意が必要ですね。
- 出願受付:平成30年1月16日(火)から平成30年1月17日(水)まで
- 出願方法:区立九段の九段校舎に持参する
- 試験日(検査日):平成30年2月3日(土)
- 発表:平成30年2月9日(金)午前9時(校内に掲示、同校のWebサイトに掲載)
- 入学手続:平成30年2月9日(金)から平成30年2月10日(土)まで
区立九段の学校見学はできる?
学校説明会や学校公開(授業公開)のほか、体験授業があるのが区立九段の特徴です。また、区立九段が力を入れている英語教育の発表会もあります。
小学生体験授業
- 日程:8月26日(日)
- 対象:小学校5、6年生児童
天体観望会
- 年に9回程度
- 対象:小学校4、5、6年生児童
九段コズミック(数学、理科体験授業)
- 6月16日(土)、10月13日
- 対象:小学校5、6年生児童
KUDAN ENGLISH 実践発表会
- 3月16日(土)
- 英語教育の実践について、映像や生徒による発表を交えて紹介
都立高等学校等合同説明会(10月・11月)
都立高等学校合同説明会(東京都教育委員会主催)にも参加。他の学校についても知りたい方はこちらも便利です。
- 11月4日(日)10:00~16:00 会場:都立立川高等学校
- 11月 11日(日)10:00~16:00 会場:都立新宿高等学校
詳細・最新情報はこちら
本記事の情報は執筆時点(2018年8月)のもの。詳細&最新の情報は、区立九段のWebサイトをご確認ください。