英検3級の二次試験として行われる面接のしくみや勉強法についてまとめました。英検3級の取得を目指す小学生も多いので、保護者の方が同伴する場合のポイントもご紹介
まとめ:英検3級の面接に合格するコツ
約6000文字と意外と長くなってしまいましたので、はじめにざっくりとまとめておきます。
- 英検3級の場合、一次試験の発表(Webサイト)から二次試験の面接まで約3週間。特別なことは要求されないため、3週間あれば十分対策できる!(ただし、普段から音読はしっかりやっておくこと)
- 面接で聞かれる内容や、面接の中で面接官が話すフレーズはある程度パターンが決まっている。話す内容をあらかじめ準備し、繰り返し音読しておくことが大事。全部覚えてしまうまで音読する!
- 単語など英語の知識は、一次試験のテキストをやり込めば。唯一足りない「英会話の経験」「発音の確認」については、オンライン英会話で補強するのがおすすめ。3週間(一ヶ月)の利用なら料金は数千円
さらにまとめると、
- 一次試験対策で使った参考書をひたすら音読する
- 聞かれそうな内容はあらかじめまとめておき、これも音読する
- 無料体験のみでも構わないので、オンライン英会話で会話に慣れる
こんな感じとなります。オンライン英会話については、こちらの記事でご紹介していますので合わせてご覧ください。
本記事の目次はこちら。
- まとめ:英検3級の面接に合格するコツ
- 英検3級 二次試験とは? 試験のしくみを知ろう
- 英検3級 面接では何を聞かれる? 問題を知ろう
- 英検3級の面接対策は?勉強法を知ろう
- 英検3級対策にはオンライン英会話を活用しよう
勉強法のみを知りたい方は記事の後半をご覧いただければOKですが、試験のしくみや、問われる内容についてまとめた前半も、チラっとご確認いただくのは有意義だと思います。知ってるつもりでも抜けていた!ということも多いものですから。
英検3級 二次試験とは? 試験のしくみを知ろう
まずは英検3級の面接(二次試験)に関する基礎知識をおさらいしておきましょう。「知らなかった!」とあわてることがあると、実力を発揮できませんからね。
日程や試験時間などの基本的なことがらのほか、英検3級の面接で問われるレベルについてもご紹介します。
英検3級 二次試験の合格率は?
英検3級の二次試験、合格率は公表されていないのですが、CSEスコアと呼ばれる基準で6割ほど得点できれば合格になります。
評価の基準は、応答内容、発音、語彙、文法、語法、情報量、アティチュードなどです。アティチュードというのは、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度を指します。
要求されるレベルはそれほど厳しくない!
記事の後半でご紹介するように、英検3級の面接は「すごい難しい!」というものではありません。一次試験で問われる内容がしっかり使いこなせれば十分です。それ以外には、
- 緊張しすぎないように!→ 面接のしくみや流れを理解しておくこと(この記事を読んでおけばOK)
- ネイティブとの会話に慣れておく!→ 直前だけでもいいので、オンライン英会話などで練習しておく(この後、説明します)
この2点が準備できていれば大丈夫ですよ。
英検3級 二次試験の日程は?
2018年度の第3回検定の場合、二次試験の日程は次のようになっています。
- 2019年3月3日(日)
二次試験は通常、A日程とB日程の2種類があるのですが、3級の場合はB日程になります。全員が3月3日に面接を受けることになります。
また、一次試験からの日程は次のようになります。
- 1月21日(月):一次試験の受験票が届く
- 1月27日(日):一次試験!
- 2月19日(火):一次試験の成績表(と二次受験票)が届く
- 3月3日(日):二次試験!
- 3月19日(火):二次成績表(と合格証書)が届く
また、英検のWebサイトではそれぞれ1週間前に、一次と二次の合否(成績表)を閲覧することができます(一次は2月12日、二次は3月12日)。
一次試験の結果をWebサイトで知った場合、そこから二次試験までは約3週間となります。記事の後半でも説明するように、ものすごく特別なことが要求されるわけではないので、3週間あれば、面接対策には充分だと思います。
試験時間は約5分。が、待ち時間がある
英検3級の場合、面接の試験時間自体は5分程度ですが、待ち時間などがあるため、受付を完了してから面接を終え、会場を出るまでに60分ほどかかる場合が多いです。集合時間は、二次受験票に記載されています。
受付完了から退出までの流れは次の通りです。また、面接の流れ(面接室に入ってからすること)については、記事の後半でくわしくご紹介しています。
- 受付をする
- トイレをすませる
- 受験者控室へ
- 面接カードを記入する
- 面接を受ける
- 退出
保護者が同伴できるのは面接カードの記入まで
小さなお子さんが受験する場合、保護者も途中まで同伴できます。一緒に行動するのは、受験者控室に入り、面接カードを記入するところまで。
そのあとは、保護者控室でお子さんの面接が終わるのを待つことになります。保護者控室で待ち合わせるか、玄関など別の場所で待ち合わせるかはあらかじめ相談しておきましょう。
服装に決まりはありません
面接と聞くとドキドキしてしまいますが、英検の面接については、服装のルールは特にありません。普段通りの格好で大丈夫です。もちろん、学校の制服がある場合はそれでもOKです。
結果はWebなら約10日後に
3月3日の面接試験受験後、約2週間後の3月19日に成績表(と合格証書)が届きます。また、英検のWebサイトではその1週間前の3月12日に合否(と成績)を知ることができます。
英検3級 面接では何を聞かれる? 問題を知ろう
二次試験はいわゆる面接試験。面接官さん(1人)と5分間、英語での面接を行います。与えられた文章を音読したり、提示されたイラストについて英語で説明したりします。
英検3級の二次試験、面接官はどんな人?
面接のお相手である面接官は、英会話や英語の先生が務める場合が多いです。日本人のこともあれば外国人のことも。
ネットでは「日本人は採点が厳しく、外国人は甘い」などのウワサが書かれていることも多いのですが、真偽のほどはわかりませんし、選ぶこともできないので気にしない方がいいでしょう。
部屋に入る時から出るまで、全部英語!
面接の部屋に入る時から、面接を受け、部屋を後にするまでの間、日本語は使いません。面接官が話す内容も、受験者がそれに答える内容もすべて英語になります。
ですので、過去問や問題集にある「よく使うフレーズ」は、何度も暗唱して覚えてしまいましょう。また、面接官が話す「質問」の方も、しっかり理解&覚えてしまうと安心です。
入室から面接までの流れ
少し細かく書くと、部屋に入る時から実際の試験が始まるまでのステップは次のように分かれています。
- ノックをして入室
- 挨拶
- 面接カードを渡す
- 席に着く
- 挨拶と名前の確認
- 受験級の確認
- 問題カードを受け取る
次のようなフレーズをしっかり頭に入れておけば安心。ここでのやり取りは採点の対象ではないのですが、会話の前半を明るい気持ちで進めることができれば調子も上がります。
しっかり練習して、当日、笑顔でやりとりを進められるようにしましょう。
面接カードを渡す
面接官:Can I have your card, please?
受験者:Here you are.
着席する
面接官:Please sit down.
受験者:OK. Thank you.
自己紹介をする
面接官:My name is ... . What’s your name, please?
受験者:My name is … .
受験する級の確認
面接官:Mr. / Ms. ... , this is the 3rd Grade test, OK?
受験者:Yes.
試験の開始(問題カードをもらう)
面接官:OK. Let’s Start the test. This is your card.
受験者:Thank you.
英検3級の面接は、音読 + 5つの質問
いよいよ始まる面接の内容は、問題カードに書かれたパッセージ(文章)音読をして、その後、その内容に関連する質問に答える、というもの。
英検のWebサイトで配布している問題サンプルは次のような内容です。じっくり見ていきましょう。
はじめの課題は、カードの文章を「音読」すること
上半分にある、30語ほどの英文がパッセージです。これを音読するのが面接の最初の課題です。ただし、いきなり音読する必要はなく、まず、黙読するための時間が与えられますので安心です。
面接官は、例えば次のような指示を出してきます。
First, please read the passage silently for 20 seconds.
20秒あれば、比較的ゆっくりとしたペースで読むことができるので、じっくりと頭の中で音読しましょう。
約20秒後に、面接官が次のようなフレーズで「音読」のスタートを促してきます。
Now, please read it aloud.
制限時間はないので、焦らず、自分のペースで音読しましょう。大きな声で&強弱をしっかりとつけて!読んでください。
言い間違ってしまっても大丈夫。焦らずに言い直すようにしましょうね。
その後、5つの質問に答えれば面接はおしまい
音読の後は、問題カードにあるパッセージとイラストなどについて質問されます。これらの質問に、大きな声でしっかりと回答しましょう。
英検3級の二次試験では、次のような5つの質問をされます。5つだけなので、拍子抜けするかもしれませんね。
- No.1:パッセージについての質問
- No.2, 3:イラストについての質問
- No.4, 5:受験者の意見を問う質問
3問目までは問題カードに即したもの。4問目と5問目は受験者自身の体験や考えを尋ねる質問です。そのため、3問目の質問に答えた後は、次のようにカードを裏返すよう指示があります。知らないと驚いてしまうかもしれませんので、しっかり頭に入れておきましょう。
Now, Mr.(/Ms.)... , please turn the card over.
後半の質問(No.4とNo.5)は、文章やイラストとは直接は関係ない質問です。これらについては、自分の経験に基づいて答えればOKです。(問題カードに結びつけようとすると、無駄に難しくなってしまいます)
英検3級の面接で問われる内容はある程度パターン化しているので、過去問をしっかりこなして回答を準備しておけば、それほど心配する必要はありません。
英検3級の二次試験で出題されるのは「身近なことに関する話題」が主。過去の出題例を挙げると、携帯電話、ラジオを聴く、読書週間、冬のスポーツ、朝市、四季などです。
英検3級の面接対策は?勉強法を知ろう
「面接」とはいえ、ここまでにご紹介した通り、予想外の質問が出たり、一次試験と全く異なる知識が必要になるようなことはありません。英検3級のリスニングやリーディングのために行った勉強が、そのまま二次試験の面接でも役立ちます。
つまり、一次試験に出るような内容をしっかり音読できること、聞き取れることが、まず必要になるのです。
一次試験で使った参考書を徹底的に使いこなそう
一次試験の対策のために用意している過去問や参考書などの書籍がお手元にあると思いますので、それらをとにかく使い倒すこと。これが面接対策でも基本になります。
多くの書籍では二次試験の過去問や練習問題、試験の流れの説明や、面接で出てくる会話例などが記載されていますので、まず、それらを徹底的に音読します。
音読に慣れてきたら、日本語だけを見ながらそれに対応する英語を話せる(言える)ように練習します。いわゆる「瞬間英作文」のような訓練です。
面接で聞かれそうな内容は、あらかじめ準備しよう
まずは、この記事でもご説明した「面接の流れ」をまずはしっかり頭に入れましょう。
次に、英検3級のリスニングやリーディングと同様、出題(質問)されるテーマはある程度パターン化されていますので、過去問や参考書をもとに、自分が話すであろう内容をあらかじめ準備し(書いておき)ます。
そして、それを音読する練習をくりかえしておくことが、英検3級の二次試験合格への近道です。
音読の際には、自分の声を録音してそれを聞いみることもおすすめ。不明瞭になっていないか?冠詞や複数形のsが抜けていないかなどをきちんと確認し、完璧に話せるようになるまで練習します。
(直前になってから新しい参考書を入手するのはあまりお勧めできませんが、参考書の選び方などは、英検3級の勉強法についてまとめたこちらの記事でもご紹介しています。)
英検3級 小学生におすすめの勉強法は? - うちの子にいいかも!
英検3級対策にはオンライン英会話を活用しよう
ただ、自宅での勉強では難しいのが、英語での実際の会話の経験を積む、という部分。公立の小学校でもネイティブスピーカーとの会話をする機会は多少はありますが、英検二次の試験で行われるような一対一での会話の練習には不十分。
じつは、この点を補うのに適切なのが、ここでご説明するオンライン英会話です。
二次試験(面接)との相性は抜群
英語を話す外国人と一対一で会話ができるオンライン英会話は、英検の二次試験(スピーキング)との相性は抜群。「オンライン英会話=英語でフリートークを楽しむサービス」という印象を持たれる方も多いのですが、英検対策のコースや教材を用意している会社もたくさんあります。
筆記試験(リスニングと英作文)にも効く
当然ながら、オンライン英会話では、外国人の話す英語に触れる機会があるため、スピーキングだけでなくリスニングにも効果があります。また、子どもが書いた英作文の内容をチェックしてもらうこともできます。もちろん、面接の想定問答として用意した回答を、間違いがないかどうかチェックしてもらうことができます。
レッスンの最中に、あらかじめ用意した作文を、チャットの画面に入力したり、あるいは、音読してその内容を確認してもらえばOKです。もし間違いがあれば、先生が正しい文章を教えてくれます。
実際にお願いや質問をする際には、このような伝え方をします。
Is this expression / sentence correct?
この表現(文章)は正しいですか?
Does this expression sound natural?
この表現は自然ですか?
Tell me the correct way to say / express it.
正しい言い方(文章)を教えてください。
子どもが自分で伝えることもできますし、また、親子で入会すると割引になるサービス、親も子もどちらも利用できるサービス、同時にレッスンができるサービスもありますので、それを利用するのもおすすめ。保護者の方が、自分のレッスン中に、子どもが書いた文章をまとめて添削してもらう、というわけです。
予算はどのくらい? まずは無料体験をしてみよう
オンライン英会話の料金は、サービスによって、あるいは、選択するプランによってまちまちですが、多くの場合、月に数千円で何度も利用できます。1回あたりの費用で比べると、一般的な英語塾よりもはるかに安いです。
また、ほとんどすべてのサービスが無料体験の機会を用意しているので、本格的に利用するかどうかは、お試ししてから決めることができます。
(ちょっと裏技的な話になりますが、3つのサービスを無料体験して、平均3レッスンの申し込みをすれば合計9レッスン、無料で利用することができます。二次試験の直前にこれだけ体験できれば「英語に慣れる」「外国人との会話に慣れる」という意味では十分かもしれません。)
英検対策におすすめのオンライン英会話
オンライン英会話のサービスは多数あり、また、その多くが英検のコースや教材を用意しているため、どれを選ぶかわかりにくいのが難点といえば難点。
そこで、代表的なサービスの特徴などをこちらの記事で紹介していますので、詳しい説明はぜひこちらでご覧くださいね。
英検3級、うちの子にはまだまだ先の話ですが、最近は小学生の間に3級(以上)を取得するお子さんも増えました。この記事をごらんの皆さん(のお子さん)が合格しますように!