小石川、武蔵、両国を都立中(都立中高一貫校)の御三家と呼ぶことがあるようです。
都立御三家の実力はいかほど?また、本当にこの3校が御三家なのか?各校の進学実績や特徴などからまとめてみました。
現在のところ、都立中御三家=小石川+武蔵+両国
その進学実績の高さから、また、男女御三家(男子:開成、麻布、武蔵、女子:桜蔭、女子学院、雙葉)との併願の多さからそう呼ばれることが多いようですが、現在のところ、都立中の御三家といえば「小石川」「武蔵」「両国」の3校を指すことが多いようです。
これら3校については、当サイトでもご紹介しています。
しかし、いくつかのモノサシで比べてみると、都立中の御三家は違ってくるかも?とも思われます。
東大への合格者数で比べると?
2018年度の大学入試における東京大学への合格数を比べると次のようになります。
- 武蔵:13人
- 小石川:12人
- 白鷗:6人
- 桜修館、南多摩:5人
御三家に限らず私立進学校の序列は東大合格数で論じられることが多いので、この軸で考えると、両国ではなく白鷗ということになるのかもしれません。
ちなみに九段を含む都立中11校の東大合格数の平均は約5人。武蔵と小石川は平均の倍以上の東大合格者を生み出していることになりますね。
白鷗については、いわゆる「白鷗ショック」は都立中人気を高める一つの大きなきっかけでしたので、白鷗を都立中御三家に加える案には説得力がありそうです。
東大合格数では、桜修館と南多摩も健闘。とくに南多摩はあまり話題にならない印象なので、「影の実力校」てな雰囲気があります。
旧帝一工への合格数で比べると?
少し範囲を広げて東大京大などの旧帝大に一橋と東工大を加えた「旧帝一工」への合格数で比べるとどうなるでしょうか?
- 小石川:33人
- 武蔵:24人
- 両国:23人
- 白鷗:17人
- 三鷹:16人
今度は定説の3校となりました。小石川の数字が光りますね。ちなみにここで登場した三鷹は、北大(3人)、東北大(2人)など、旧帝大への合格者数が比較多かったです。
国公立大学への現役合格数(%)で比べると?
多くの都立中が学校経営方針で目標の一つに掲げている国公立大学への合格数で比べてみるとどうなるでしょうか?
ここでは、現役生のみの数字を用いて、また、合格数を卒業生の数で割った値で比較してみます。「国公立大学への現役合格率」ですね。
- 小石川:34.4%
- 武蔵:32.0%
- 両国:31.9%
- 南多摩:31.4%
- 三鷹:29.5%
ここでも定説通りの順位となりました。また、東大合格数で登場した南多摩、旧帝一工で登場した三鷹はここにも登場。
偏差値で比べると?
では、進学塾が発表する偏差値、例えば日能研の予想R4偏差値で比べるとどうなるでしょうか?
- 小石川:67
- 両国:63
- 武蔵:61
- 桜修館:59
- 白鷗:56
両国と武蔵が逆転していますが、ここでも都立御三家は定説通りのセレクションとなりました。
いずれにせよ勝手な呼び名なので好きにまとめればいい、という気もするのですが、「御三家」というブランドはいまだに強力ですので、どの学校が都立中御三家として定着するのかは興味深いですね。