難関化が進む公立中高一貫校の偏差値について、トレンドなどまとめてみました
公立中高一貫校の偏差値はどのくらい?
全国には100以上の公立中高一貫校があり、まとめて論じるのはなかなか難しいため、以下、本記事では区立九段を含む都内の11校について偏差値やそのトレンドなどをご紹介します。
では、都立中高一貫校の偏差値はどのくらいか?もちろん各校で違いがあるのですが、区立九段含む11校の平均を見てみると、2018年の偏差値は(四谷大塚 結果80偏差値)男子が59.2、女子が60.6となっています。
- 都立中の偏差値(男子、2018年):59.2
- 都立中の偏差値(女子、2018年):60.6
ざっくりとしたイメージでは、中堅〜やや難の私立中学校と同じくらい、となるでしょうか。
冒頭のグラフは、過去5年間の偏差値(男子)の推移をまとめたもの。女子のグラフは記事の中ほどでご紹介します。
偏差値の高い都立中は?
グラフにもある通り、もっとも偏差値の高い都立中高一貫校は都立小石川。他とは一線を画す、一段高い位置にあります。
- 小石川の偏差値(男子):65(2018年)、64.2(過去5年の平均)
- 小石川の偏差値(女子):64(2018年)、64(過去5年の平均)
都立中高一貫校の合格実績の高さが明らかになったことから、最近は御三家との併願で小石川を受検する子が増えていると言います。とくに男子の場合は、御三家の筆頭である開成と通学圏が似ているため、開成と小石川の併願が増えています。
女子の場合は、小石川に加え、都立武蔵も偏差値が高いです。
- 都立武蔵の偏差値(女子):64(2018年)、64(過去5年の平均)
偏差値の推移
都立中の偏差値はゆるやかに上昇中
都立中高一貫校の偏差値は全体として、ゆるやかに上昇中。男子も女子も、この5年で上昇しました。
- 都立中学の偏差値の変化(男子、2014年 → 2018年):58.2 → 59.2
- 都立中学の偏差値の変化(女子、2014年 → 2018年):60.0 → 60.3
意外と広い偏差値の幅
一口に都立中高一貫校といっても、母体となった高校の歴史や校風はさまざま。偏差値もことなっています。
例えば2018年男子の場合、最も偏差値の高い 65(小石川)と低い 57(富士、立川国際、白鷗)とでは偏差値の差が 8 あります。しかし、2014年は、55から64と9の差があったため、全体としては偏差値の差は狭まりつつある、ともいえます。
都立中の偏差値、男女での差は?
私立の共学校と同様、同じ学校でも男子と女子とで偏差値には差があります。冒頭のグラフの女子版は次のとおり。
男子との主な違いは次の通り。
- 全体的に女子の方が偏差値が高い
- 小石川と並び、都立武蔵の偏差値がとても高い
- 男子に比べ、この5年間の変化が少ない
このような傾向があることがわかります。
偏差値はどの程度関係あるのか?
ここで用いている四谷大塚もそうですが、主要な塾で行われる模試は4科での判定になるため、都立中高一貫校の適性検査で測られる学力とは隔たりがあります。また、都立中高一貫校の場合は、小学校での成績に基づいて作成される報告書も判定に用いられるため、一般的な偏差値がどの程度当てはまるのか?という議論があります。
ただし、適性検査ⅡやⅢでは、算数(特に図形、資料整理、場合の数など)の能力がベースになっていること、また、適性検査全体を通じて、読解力(大量の資料を短時間で読み込む)や記述力(数百文字の記述問題も出題される)が必要とされることなどから、難関私立中向けの学力があると有利=偏差値は目安として有効、と考えられます。
都立中11校 各校の偏差値は?
都立中高一貫校11校 各校の偏差値(2018年)は次の通り。進学実績などをまとめた各校についての記事も公開しています(学校名からリンクしています)ので、あわせてぜひご覧ください。
まずは男子から。
女子の場合はこうなります。
また、男子と女子で差が大きい(偏差値が2以上異なる)学校は次の通りとなります。
- 桜修館(男子60、女子62)
- 南多摩(男子58、女子60)
- 立川国際(男子57、女子59)
- 白鷗(男子57、女子59)
- 区立九段(男子58、女子60)
- 武蔵(男子61、女子64)
- 両国(男子60、女子62)
各校の進学実績はこちら
都立中高一貫校の進学実績をまとめたこちらの記事もぜひご覧ください。