都立富士(東京都立富士高等学校・付属中学校)とは?
都立富士(東京都立 富士高等学校・附属中学校)は、東京都の中野区(中野区弥生町 5-21-1)にある公立の中高一貫校。私立中学に比べ学費がやすいこと、高い進学実績を誇ることなどから、近年人気が高まっています。
都立富士高等学校の前身は大正8年設立の府立第五高等女学校。古い歴史のある進学校でしたが、一貫校化したため、同じ敷地内に中学校を構えることになりました。
高校からの入学がある「併設型」の学校です。中学校は3クラスですが高校から2クラス分新たに加わり5クラスになります。
都立富士の評判
都立富士の評判について、以下、まとめてみました。
都立富士の偏差値は?
中学受験時の偏差値は上昇傾向。偏差値は57〜58(四谷大塚の80偏差値)と言われています。都立の中高一貫校としては標準的なレベル。富士に限らず公立中高一貫校に見られる傾向ですが、ここ数年ジリジリと上がっていますね。
同じくらいの偏差値の学校を探すと、
- 都立立川国際
- 都立白鷗
- 城北
- 青山学院
- 農大第一
などが挙げられます。
都立富士の倍率は?
入試の倍率は、他の都立中と比べるとやや低く、平成30年度の倍率は約4.9倍。その前年は約5.3倍でした。「およそ5倍」と考えていればいいかもしれません。
- 平成30年度:4.9倍
- 平成29年度:5.3倍
- 平成28年度:5.5倍
難化の傾向が明らかになったために、お試し的な受験が減ったのでしょうか?倍率はやや低くなっているのがこの3年間の傾向です。また、女子の方がやや高倍率なようです。
都立富士へのアクセス
都立富士の最寄駅は東京メトロの中野富士見町駅。徒歩3分なので便利です。京王バス「富士高校」などバスの便も多いです。
- 東京メトロ丸ノ内線 中野富士見町駅より徒歩3分
- 東京メトロ丸ノ内線 新中野駅より徒歩12分
都立富士の進学実績
同校のWebサイトで進学実績を公表しています。進学実績を測る一つの目安が、国公立大学への進学実績ですが、富士はその数字を着々と伸ばしていることがわかります。
平成30年度の合格実績はこちら。
(中略)
画像の下の部分に注目。富士の卒業生、約200人のうち43人が国公立大学に現役合格しています。かなり優秀ではないでしょうか。東京大学にも2名の合格者を出しています。
また、この3年間の間に、国公立大学への現役合格数は、31 → 45 → 51 と順調に伸びていることがわかります。
同校のWebサイトで合格実績、進学実績をまとめたPDFを公開していますので、私立大学への合格数など、詳細はそちらをご参照ください。
http://www.fuji-fuzoku-c.metro.tokyo.jp/site/zen/content/000205437.pdf
また、「うちの子!」編集部では都立中高一貫校の合格実績を比較したこちらの記事もまとめました。合わせてぜひご覧ください。
都立富士の英語教育は充実してる?
改革により、英語の重要性がさらに高まる今後の大学受験を考えると、中学校選びの一つの軸にしたいのが、英語教育への取り組み。都立富士はどうでしょうか?
同校並びに各校のWebサイトから調査すると、留学生の受け入れや各種の発表会などが積極的に行ってはいるものの、英語教育に力を入れている私立中と比べると、都立富士は、英語力の養成に弱点があると言えそうです。
週あたりの英語の授業数を比較すると次のようになっています。ここでは、選択などの影響の少ない、また、英語力の基礎固めとして重要な時期である中学1年、中学2年時の英語授業数を比較しています。
- 都立富士:4コマ
- 区立九段:6コマ #都内の公立中高一貫校で最も多い
- 都立中平均:4.7コマ
- 渋渋(私立):7コマ
- 三田国際(私立):8コマ
英語不足はどうやってフォローする?
英語力を磨くには、読む、聞く、書く、話すの4技能をバランス良く伸ばしていることが必要ですが、公立中学のカリキュラムで特に不足しがちな「話す」「聞く」に効果的なオンライン英会話で継続的に鍛えていくのがおすすめです。
オンライン英会話の選び方については、当サイトのこちらの記事もぜひごらんください。(記事にもあるように、家族割の「ファミリープラン」を用意している会社も多いので、ママ/パパも一緒に英会話を頑張るのがおすすめです)
都立富士の受検(受験)対策
都立富士の適性検査対策は?
文字数の多い記述問題が特徴的な適性検査Ⅰ、情報処理能力と理系的なセンスが試される適性検査Ⅱなど、都立中に合格するには独特の入試問題への備えが必要。
難易度が上がっていること、また、適性検査の傾向が定まってきたこともあり、試験(検査)対策が「長期化」「パターン化」しているのが最近の特徴です。
- 長期化:「小5から」「小4から」など、中高一貫校検査(入試)の準備期間が長くなりつつある
- パターン化:適性検査の研究が進み、進学塾のカリキュラムや通信講座の教材などでしっかり訓練できるようになってきた
「学校の成績が良くて作文が得意な子が、少しだけ対策をしたら合格した」「適性検査には私立中受験のようなパターン化された訓練法はない」このようなイメージは過去のもの。きっちりと準備をして臨みましょう。
都立富士は「ena」と「Z会」の出身者が多い
「塾」「家庭学習」「通信講座」など、適性検査対策の方法はさまざま。体験授業なども積極的に行いながら、お子さんに合ったやり方を見つけてあげましょう。
都立中に強い塾の代表といえばena。都立富士にも71名が合格しています。
(準備中:enaについての記事)
少々意外だったのですが、次に強いのが、進学塾ではなく通信講座のZ会だったこと。都立富士に25名!が合格したようです。(いずれも2018年の実績)
もともとが、記述式の問題が多い東大や京大などの難関大学対策に強みを持つZ会は、同じく記述への対策が必要な公立中高一貫校とは相性がいいようで、全国の公立中高一貫校には819人、区立九段を含む都立中高一貫11校には332名の合格者を出しています。
都立富士の試験日は?
都立一貫校の試験日は例年2月3日。富士も例外ではなく2月3日に検査(試験)を行っています。検査は3種類でそれぞれ45分間と短めであるため、お昼ごろには終わります。
都立富士の合格発表は?
合格発表は試験の約1週間後に行われます。校内に掲示される他、Webサイトにも掲載されます。
都立富士の入学手続きは?
入学手続きは合格発表の当日から。
平成30年度の入学検査はスケジュールは以下のように進められました。
- 出願受付:平成30年1月10日(水)から平成30年1月16日(火)まで
- 出願方法:郵送(出願受付期間に指定の郵便局に必着)により受付
- 試験日(検査日):平成30年2月3日(土)
- 発表:平成30年2月9日(金)午前9時(校内に掲示、同校のWebサイトに掲載)
- 入学手続:平成30年2月9日(金)午前9時から午後3時まで、 平成30年2月13日(火) 午前9時から正午まで
都立富士の学校見学はできる?
同校のWebサイトによれば、平成30年度は下記のとおり学校説明会や授業公開を行う予定。詳しい時間等は時期が近づいたらWebサイトに掲載されます。
文化祭
- 9月8日(土)、9日(日)
学校説明会
- 10月6日(土)、11月10日(土)
中学校募集案内説明会
- 12月1日(土)
授業公開週間
- 10月、11月の前半にそれぞれ1週間
詳細・最新情報はこちら
本記事の情報は執筆時点(2018年8月)のもの。詳細&最新の情報は、都立富士のWebサイトをご確認ください。