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算数だけ！で受験できる私立中学が増えています。普通の入試とは異なる「記述」に力を入れた出題が特徴
算数1科入試が増加傾向
世田谷学園中学校（東京都世田谷区、男子校）が「算数特選入試」を新設することを公表し、話題になりましたが、これに続き巣鴨中も算数入試の開始を発表。首都圏男子校の算数1教科入試は、高輪中学校（東京都港区）の2月2日「算数午後入試」、鎌倉学園中学校（神奈川県鎌倉市）の2月1日午後「算数選抜」が有名ですが、世田谷学園と巣鴨が参入することで、算数好き男子には選択肢が増えることになります。
女子校や共学校でも、大妻中野中学校、品川女子学院中等部、東京年大学等々力中学校などに加え、2019年入試から普連土学園中学校、山脇学園中学校が算数1教科入試を新設する予定。
首都圏の中学入試全般で、算数入試が増加傾向を示しているようです。
算数入試は「記述力」の勝負？
算数1科入試では、通常の4科入試よりも思考力・論理的な説明の力を問われる場合が多いようです。端的には「記述式」の問題が多くなることが、各校の問題（サンプル問題を含む）から想像できます。
どんな問題が出るのか？具体例を見てみましょう。
算数1科入試の過去問＆サンプル問題
巣鴨
2019年から算数入試を行う巣鴨のサンプル問題をご紹介します。
ここまでが問題の説明。「整数」と「場合の数」のミックス問題ですね。設問は次のとおりです。
（3）が算数入試ならではの記述式の問題。（1）と（2）はそれに向かうためのヒントですね。ものすごく難しいというわけではありませんが、いい問題だと思いますし、また、これがしっかり書けるお子さんを集めたいという学校の考えもよく理解できます。
桐蔭学園
同じく2019年から算数入試を行うとする桐蔭学園は、サンプル問題として、次のような例を発表しています。
問1。虫食い算自体は珍しいものではありませんが、理由を答えるところがポイント。ただ単に答えを出すだけではなく、理由を論理的に説明できるかどうかが問う問題になっているのが算数入試の特徴です。
問2。条件整理と図形の面積（小問3と4は省略）。この問題の特徴は、問題の設定をしっかりと読み取り、その場で試行錯誤する必要があること。
同校の説明によれば「算数選抜入試に関しては、テスト当日にその場でじっくり考える問題を出題します。公式を用いて解くような典型問題ではない、初めて見る問題であっても、落ち着いて取り組んでほしいと考えています」とあります。
ちなみにこれらの問題は、2019年度の算数選抜入試の問題をイメージするために作成したサンプルであり、問題数・分量は本番の入試（70分）のうちの一部分を想定したもの。実際に出題されるものはこれとは異なりますし、分量もこれより多くなるようです。
大妻中野の過去問（2018年算数入試）
大妻中野の算数入試は大問3つ。例えば問題1（食塩水）、前半は一般的な出題なのですが、後半が特徴的ですね。
問題2は、資料（地球温暖化に伴う水位上昇についての親子の会話）にもとづいた出題。前半は、丁寧さが要求される計算問題なのですが、（4）は次のようなもの。
定員も受験者も少ない算数入試ならではの出題ですね。字数制限はないのですが、解答用紙はそれほど大きくなので、シンプルに数十文字で答える必要があります。
画像は割愛しますが、問題3はアルゴリズム（ロボットの操作）の問題。こちらも問題文の文字量が多いです。
算数の記述力を鍛えるには？
算数入試、得意な算数で勝負したいお子さんには魅力的ですが、算数好きが集まるだけあって、ハイレベルな勝負にはなります。また、上でご紹介した問題例からもわかる通り、じっくりと思考（試行）し、それを記述する力が求められるという特徴もありますので、普通の試験問題を解く力＋α が必要です。
日々の勉強でも、途中の式の書き方などをしっかりチェック＆指導してもらうことが必要ですが、塾の先生にも限界はあり、また、家庭学習でどこまでフォローできるかはご家庭によります。
記述式の問題に備えるという意味では、通信講座のZ会での勉強を組み合わせるのも一つのアイデア。答えだけでなく、そこにいたる思考の流れや答案の書き方も添削してもらえます。
また、「入試直前の過去問対策に」「夏休みに記述式算数を集中的に」など、期間を決めて家庭教師を利用するのも一案かもしれません。
算数のみで受験できる首都圏の私立中学校
巣鴨中学 算数選抜
伝統的な進学校である巣鴨中が算数入試を開始。2019年入試で2月1日午後に「算数選抜入試」を新設します。
同校は2018年に第III期入試を新設し、3回入試となっていましたが、これで受験の機会が4回に。同校の算数の問題は「難しい」とされていますが、途中式や考え方に部分点を与えるなど、数学力に重きを置くスタイル。先生も算数好きなのでしょうね。
- 第Ⅰ期（2月1日 午前）：80名、4科
- 算数選抜（2月1日 午後）：20名、算数のみ
- 第II期（2月2日 午前）：100名、4科
- 第III期（2月4日 午前）：40名、4科
巣鴨の評判は？ 偏差値、合格実績など - うちの子にいいかも！
世田谷学園 算数特選
歴史ある男子進学校、世田谷学園も2019年度の入試から算数入試（算数特選入試）を開始。定員30名のうちの20名が特待生となる入試を、2月1日午後入試としてスタートする予定です。
- 2019年中学入試から「算数特選入試」を新設（2月1日午後）
- 募集定員は30名で、うち特待生選抜が20名
- 試験時間は60分（100点満点）
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攻玉社
- 2月5日に算数（特別選抜）を実施
- 算数Ⅰ、算数Ⅱの2科目合わせて110分間
都市大等々力
- 2018年度入試から「算数1教科入試」を開始
- 「アクティブラーニング型入試」も行っている
中学校入試｜新テストについて 模擬問題｜東京都市大学 等々力中学校
高輪
- 同校の名物入試とも言える「算数入試」を2002年からスタート
- 伸長を続ける大学合格実績が多くの「算数自慢」を集める
三田国際
- 2月2日の午後入試（本科）が算数1科入試。定員は30名
- 100点満点で60分間の試験
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桐蔭（神奈川）
- 2019年度入試（2月3日）から算数入試（算数選抜入試）をスタート
- 70分間で記述式の問題に
栄東（東大Ⅱ入試）
- 1月18日に行われる東大Ⅱ入試が、算数のみで受験可能に。4教科入試と共通の算数1に加え、算数2を受験することになります
- 4教科入試も引き続き行われる。特待の可能性あり
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開智日本橋（特待生入試）
- 2月1日午後の特待生入試が算数1科で受験可能に
- 4科入試も引き続き行われる
その他
- 鎌倉学園中学校
- 大妻中野中学校
- 品川女子学院中等部
- 普連土学園中学校（2019年から）
- 山脇学園中学校（2019年から）
うちの子も算数は好きなので真面目に検討してみます。ただ、問題は結構難しい場合が多そうですね。
